当サイトで配布しているフォント全般に関する情報をまとめた頁です。
FontForgeでグリフを作り、AFDKOでビルドしています。その他必要に応じてPerlスクリプトを自作して補助ツールとして使用しています。
GlyphsはWindowsユーザーなので残念ながら利用できません。Variable font版もすべてFontForge + AFDKO + 自作スクリプトの組み合わせで作っています。
IVS (Ideographic Variation Sequence)は、Adobe-Japan1のみ対応しています。
IVD (Ideographic Variation Database)には2023年現在、日本で使われることを意図したコレクションとして他にもHanyo-Denshi(汎用電子)とMoji_Joho(文字情報基盤)とが登録されていますが、これら2つに対応する予定はありません。これらは行政の分野で専用フォント(mjフォント)と組み合わせて使われることを意図したものと認識しています。
2023年6月現在、配布しているのはPostScriptベースのOpenType(以下OpenType/CFF)版のみで、TrueType版は配布していません。
理由は2つあります。
1つ目のヒンティングに関しては、ttfautohintのように自動的に行ってくれるツールを使用することで改善される可能性があります。
2つ目に関しても、長年Adobe-Japan1に関与してきたDr. Ken Lunde氏が2019年にAdobeを離れてしまい、今後Adobe-Japan1の増補(Adobe-Japan1-8の登場)自体が起こり得ることなのか不透明な状況になってしまっています。今後はU+32FFの時のように個別の判断が不要な字を追加するのみ、という可能性も考えられます。
2024年は写研の改刻フォント第一弾がリリース予定です。写研の文字盤にはAdobe-Japan1にない字も含まれていて、フォント化するに当たってこういう文字をどうするかという問題は既に発生しているのではないかと思われます。例えば写研の「望」の正字/旧字は、CID+14037の左上の「亡」がCID+14031相当、右上の「月」がCID+13746相当ですが、これに相当するグリフはAdobe-Japan1-7にはありません。
フォント化作業中に見つかったこのような字をまとめてAdobe-Japan1に入れてほしいという要望がAdobeに伝えられている可能性も考えられます。
また2024年はAdobe-Japan1が最後に大幅改訂された2004年から数えて20周年でもあり、フォント界にとっては大きな節目の年とも言えます。このようなタイミングでもAdobe-Japan1に何の動きもないようであれば、それはやはりもう新しい追補 (Supplement 8) の作成に着手できるような状況にない、という判断に傾かざるを得ないと個人的には考えています。
WindowsはOpenType/CFFの対応が中途半端で、WordでPDFを書き出そうとするとTrueTypeなら埋込フォントとして処理されるのにOpenType/CFFだと画像化されてしまったり、variable fontにきちんと対応していなかったりと、デメリットもあります。
このような事情を踏まえ、2024年の状況によってはOpenType/CFF一択という状態を改め、TrueType版の作成やTrueTypeへの移行も検討する予定です。
※当初は「Windows XP上のWord 2007で発生する」として、元は2010年代前半に錦明朝かなの頁に記載したものです。その後のヴァージョンでも発生するようですので、ここに残しておきます。
Word 2007がリリースされた時点でUnicodeのKana Supplementブロック(1B000..1B0FF)は未定義領域だったことに由来する現象と思われるのですが、どういう理屈で左回転してしまうのかは不明です。
勝手に左方向へ回転してしまうのなら、予め右方向へ90度回転させたグリフを用意しておき、縦書き時にはそれを使わせるという方法も試してみたのですが、先述の環境ではKana Supplementブロックの文字に対して「縦書き時のグリフ置換(OpenTypeのvert, vrt2機能)」を行うこと自体ができないようで、根本的な解決策はいまだ見つかっていません。
さしあたっての対処法としては次の2通りの方法があります。