1-7. 接続語

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1-7-1 接続語

 次のようなものがあります。

順接の接続語
東京語京都語
常体 「だから」 「そやさかい(に)」「そやし」
敬体 「ですから」 「そうどすさかい(に)」「そうどすし」
※崩れて「そうどっさかい」のようになることも。
常体 「~するから」 「~するさかい(に)」「~するし」
敬体 「~しますから」 「~しますさかい(に)」「~しますし」
※崩れて「しまっさかい」のようになることも。
「それで」 「それで」「ほんで(←そんで←それで)」「ほして(←そして)」「へて」
「それなら」「それでは」 「そんなら(←それなら)」「ほんなら(←そんなら)」「ほなら(←ほんなら)」「ほな(←ほなら)」

 表中、括弧内の矢印はその語の由来を示しています。例えば「そんなら(←それなら)」は、「『そんなら』という言い方は『それなら』が変化してできたもの」という意味です。

「~さかい」と「~さかいに」とに意味の違いはありません。その時の語調によって「に」が付いたり付かなかったりします。
 また話者によっては、「さかい(に)」の代わりに「はかい(に)」「さけ(に)」「はけ(に)」などの崩れた形が使われることもあります。

逆接の接続語
東京語京都語
常体 「だけ(れ)ど(も)」 「そやけ(れ)ど(も)」「そやけんど(も)」「そやが(固い言い方)」
敬体 「ですけ(れ)ど(も)」 「そうどすけ(れ)ど(も)」「そうどすけんど(も)」「そうどすが(少し固い言い方)」
常体 「~するけ(れ)ど(も)」 「~するけ(れ)ど(も)」「~するけんど(も)」「~するが」
敬体 「~しますけ(れ)ど(も)」 「~しますけ(れ)ど(も)」「~しますけんど(も)」「~しますが」
常体 「~したって」 「~したかて」
敬体 「~しましたかて」
「だって」 「そやかて」
「それでも」 「そんでも(←それでも)」「ほんでも(←そんでも)」「ほいでも(←そいでも←それでも)」

 全般的に、「そや~」という形はしばしば崩れて「しゃあ~」「ほや~」のようにもなります。ゆえに「そやさかい」は「しゃあさかい・ほやさかい」のような発音に、「そやけど」は「しゃあけど・ほやけど」のような発音になることもあります。

 なお「そや~」の部分を「せや~」と言うのは大阪色の強い言い方です。某テレビ番組のタイトルの影響か、近年この「せや」という言い方が大阪周辺に拡散しつつあるようですが、京都の旧市街地に以前からある言い方ではありません。

1-7-1-1 語頭では「や~」ではなく「そや~」

 東京語では「だから~」「だけど~」のように、断定の助動詞「だ」から文を始めることもできますが、京都語では断定の助動詞「や」から文を始めることはできず、「やけど~」「やさかいに~」のようには言えません。
 このような時は「や」の前に、「そう」またはその短縮形「そ」を添えて、「そやけど~」「そうやけど~」のように言います。

 これは「や」が「どす」に置き換わった時も同じです。「そうどすさかい~」「そうどすけど~」とは言えても、「そう」無しでいきなり「どすさかい~」「どすけど~」のようには言いません。


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