当サイトでは単語や例文にアクセント(音調)を表す記号が振ってあります。まずはそれらアクセント記号の見方についてご説明申し上げます。
単語の長さを計る単位のことで、例えば「いぬ」なら「い」と「ぬ」で2拍、「すずめ」なら「す・ず・め」で3拍、と数えます。
このように日本語では大抵、ある単語の拍数はその単語をカナで書いた時の文字数と一致しますが、注意していただきたいのは拗音(小さい「ゃゅょ」)です。これらは独立した拍とは数えず、たとえば「きゅうり」は「きゅ・う・り」と区切り、3拍と数えます。決して「き・ゅ・う・り」の4拍ではありませんのでご注意を。
なお、時に「音節」という言葉を、この「拍」と同じ意味で用いることもあります。
日本語の単語は普通、拍ごとに固有の音の高さを持っています。その拍が高めの音程で発音する拍なら●、低めの音程で発音する拍なら○という記号を使って表記します。
「くじら」という単語を例として挙げますと、京阪語では「く」は低く、「じ」は高く、「ら」は低く、つまり「低‐高‐低」と発音しますので、「くじら」のアクセントは【○●○】と表記します。一方共通語では「低‐高‐高」と発音しますので【○●●】と表記します。
京阪語には「雨」の「め」や「春」の「る」のように、「拍の始めは高い音であるものの、途中から音程が低くなる」という下降調の拍がありますが、これは◐と表記します。さらには1拍語限定で、「目」「木」のように、「拍の始めは低い音であるものの、途中から音程が高くなる」という上昇調の拍もあり、これは◑と表記します(※)。
アクセントというのは、その単語固有の音調のことを指します。これに対してイントネーションというのは、話し手の感情や文意によって音程が上がり下がりすることを言います。
たとえば京都では「朝日」を「高‐低‐低」と発音しますが、この「あ」から「さ」に掛けて大きく音程が下がるという性質は「アクセント」です。
一方、「そうですか」という文は、疑問として口にする時にはしばしば語尾を上げながら発音されますが、相槌として口にする時はそうなりません。この違いは「イントネーション」です。「臨時の音調」と言い換えても良いかもしれません。
しばしば、「京都風のイントネーションが~」という言い方のされることがありますが、ほとんどの場合は「京都風のアクセントが~」と言うのが正解です。