「さらら明朝」は、「霧明朝」の仮名文字だけを築地体後期五号系のオールド仮名グリフに置き換えたフォントです(「霧明朝オールド」に相当)。
CMapやGSUBなどは霧明朝のものを継承せず、錦源明朝用のものを使用しています。
さらら明朝(以下「本フォント」)は SIL Open Font License 1.1 に基づいて配布されます(参考和訳[※外部サイト])。
ローマン abc | イタリック abc | |
---|---|---|
さらら Light | zip (5.12 MB) | zip (5.12 MB) |
さらら Regular | zip (5.21 MB) | zip (5.21 MB) |
さらら Medium | zip (5.28 MB) | zip (5.28 MB) |
さらら SemiBold | zip (5.34 MB) | zip (5.34 MB) |
さらら Bold | zip (5.47 MB) | zip (5.47 MB) |
Regular←→Bold間はスタイルリンクによって結びつけられています。そのためRegular, Boldが両方ともインストールされている場合には、アプリケーションによってはフォント選択肢の中に「さらら明朝 Bold」が表示されないことがあります。このようなソフトでは、さらら明朝を選択した状態で「太字/Bold」機能をオンにするとさらら明朝 Boldに切り替わります。
これと同様にイタリック体も、対応するローマン体とスタイルリンクによって関連づけられるようになっていますので、対応するローマン体とセットでインストールされている場合には、フォント選択肢の中に「さらら何々 Italic」が別途表示されないことがあります。
イタリック版で実際にイタリック体グリフが表示されるのは、「U+017Fまでの文字」および「Adobe-Japan1-7にイタリック体グリフが含まれている文字」のみです。ギリシア文字・キリル文字などその他の文字はイタリック体では表示されません。
ローマン版もイタリック版もグリフ集合は共通です。OpenTypeのital機能が使えるソフト(InDesignの「欧文イタリック」など)でご利用の場合は、別途イタリック版をダウンロードする必要はありません。
表にすると次の通りです。
霧明朝 | さらら | 錦源明朝 | |
---|---|---|---|
仮名 | 源ノ明朝に追加・改変 | 独自(錦明朝かな) | |
半角カタカナ | 源ノ明朝 | ||
カナを含む記号 (㋐㍗など) |
|||
漢字 | 源ノ明朝 | ||
欧文 | Source Serif 4を増補したもの | 独自* | |
記号・約物 | 源ノ明朝 | ||
ウェイト数 | 3 + variable | 5 | 1 |
GSUB, CMap | 源ノ明朝のものを拡張 | Adobe-Japan1-7用のものを拡張 |
当初は錦明朝を多ウェイト化することにより、その派生フォントである錦源明朝をも多ウェイト化するという計画でした。
その第一弾である「仮名グリフの多ウェイト化」は2020年の終わり頃から手を付け始めて2021年春に作業が完了したのですが、続けて「欧文グリフ(上表で*の付いているところ)の多ウェイト化」に移行した辺りから作業時間が思うように確保できなくなってきてしまいました。
せっかく出来上がった多ウェイトの仮名グリフをお披露目する機会がないまま時間だけが過ぎて行くというのも勿体ない気がしましたもので、差し当たって不足しているグリフは霧明朝から持ってきて組み上げることにしたのがさららです。
このような経緯のため、さららはCMapやGSUBなどは源ノ明朝系のものではなく、錦源と同じくAdobe-Japan1系のものを使用しています。